【シンチア・ユミ/NB】サンパウロ日伯援護協会(援協)は、毎年ブラジル国内約80都市の日系移住地を巡回、地域に住む日系人の病気の予防や状況の把握に努めている。2005年から2007年にかけて行われた巡回診療では、幾つかのケースで懸念される結果が報告されている。巡回診療チームは1万人を診察し、血液検査で血糖値、コレステロール値、中性脂肪値、尿酸値の測定をしたが、全体も4割が悪玉コレステロール値が高く、同じく4割が高血圧で、その中の75%は糖尿病を患っているかもしくは高いコレステロール値が検出されたとしている。
眼科医のミウトン・マサト・ヒダ氏は、サンパウロ州立総合大学ボトゥカトゥキャンパスで教鞭を取っていたが、現在は現役を退いてこの巡回診療に参加している。ヒダ氏によれば、診療の結果は想像し得なかったものだったという。ヒダ医師は「診察した日系人のほとんどは運動不足の上に、不適切な食習慣を改善する必要があ
ります」と警鐘を鳴らす。日本人が体内で生産できるインシュリンの量は少なく、血糖値の上昇さらには糖尿病になり易いという研究結果も報告されている。インシュリンは血糖値の恒常性維持に重要なホルモンであ
り、骨格筋、脂肪組織における糖の取り込み促進とその利用促進等の働きを持つ。血糖値を上げる甘いものを摂取するのを避け、適度な運動によって太らないように気をつけることが大切だという。適度な運動はインシュリンに依存することなく血中のブドウ糖を消費することが出できるためであ
る。
日本式の食事療法は、体内で生産出来るインシュリンの量が少ないというハンデを克服するために適応しつつあ
るとヒダ氏はいう。インスタントラーメンや昨今の西洋化しつつある食生活を改善し、魚介類、大豆、白米、温野菜など、日本古来のメニューの中でインシュリンの生成やインシュリンの働きを助けると考えられるものをバランス良く食べることが重要だと訴える。こういった食事療法の知識のなさが日系人の糖尿病増大の原因になっていると考えられるとヒダ氏はいう。パウリスタ校予防医学局が行った日本人と日系人の糖尿病の発症率の比較調査によると、日系人の発症率は12・8%から16・2%と日本人の数値よりも高いことが判明している。