【NB編集部】国際協力事業団(JICA)による留学研修制度を利用し日本で経験を積んだ元留学生らが8日、サンパウロ市内で初めての会議を開催した。会議では、スライドを使った元留学生の経験談や帰国後の活動などが発表されたほか、ブラジル人が集中する群馬、愛知、岐阜と会場をインターネット回線で結び、日系社会への提言が行われた。会議には元留学生のほか、これから日本へ留学する人や留学を希望する人も訪れた。
JICAサンパウロ支所日系社会担当の村上ヴィセンチさんは「コミュニティやJICAが自分に何をしてくれるではなく、コミュニティに対して自分が何ができるかを考えて欲しいと」と話し、帰国後の活動の重要性を訴えた。
2007年から1年間、札幌市の専門学校でアニメーション・デザインを専攻したミノリ・ミヤケさんは、専門分野以外にも日本文化の体験や地元の人たちの交流など「学校以外でも目に映るものすべてが活かせる体験だった」と語った。2007年に群馬県で研修したグラウシア・サワグチさんは、カウンセラーとして取り組んだブラジル人子弟が抱える問題を紹介した。
2003年の留学生で在日ブラジル社会を調査し、帰国後はデカセ現象がもたらす問題に取り組むキョウコ・ナカガワさんは、日系社会だけでなくブラジル社会と共に問題を解決していく必要性を述べ、協力を呼びかけた。このほか、日系第三国専門家派遣制度で南米諸国の農業を指導したイサオ・イシムラさんが、フォローアップを含めた自身の活動を紹介した。
日本から参加した代表者からは、在日ブラジル人が抱える課題を紹介した上で、会場の参加者に対して、日本では積極的にブラジル人コミュニティに入ることや帰国後は日本の実情を伝えて欲しいなど、留学を活かした両国の架け橋になってほしいと提言した。