【NB編集部】ブラジル三井物産とサンパウロ州立大学(USP)法学部国際法・国際関係研究所が7月、同大学内に「三井物産冠講座」を開設することで合意した。それを受けて10月20日、第1回目の講座が日本から田原睦夫・最高裁判所判事を講師に迎えて開催された。
サンパウロ市セントロにある同大法学部で行われた講演会で、田原判事は「最高裁判所の役割と最近の司法改革」をテーマに講演。受講者およそ40人の中には熱心にメモを取る学生もおり、講演後は質問も相次いだ。同学部3年生のダニーロ・ヨシダさん(20)は「日本から判事の話を聞くチャンスはめったにないので、とても有意義だった。これからも受講したい」と満足した様子で語った。
同講座は、日本の各分野における第一人者を招待し講演を行う。年間2回から3回の実施を予定している。次回の講座については発表されていないが、同社と同研究所は今後、日本関連の書籍を集めた文庫設立や受講生を対象にした短期留学プログラムの実施を検討している。ブラジル三井物産の中山立夫社長は「ブラジルの次の社会、経済を担う人材が育って欲しい」と期待し、今後も継続的に支援していくことを強調した。
三井物産は今年2月、ブラジルで活動する関連企業数社と共同でブラジル三井物産基金を設立した。同基金は、教育を中心に社会的問題や日伯の交流拡大に貢献する人材育成などの活動を支援していく。冠講座の運営資金も同基金を通じて提供された。
113年前の友好の証
第一回三井物産冠講座に先立って、サンパウロ州立大学法文学部サンレオポルド候爵記念貴賓室で、1895年に締結されたブラジル日本修好通商航海条約における両国の批准書レプリカの展示除幕式が行われ(展示は同月31日に終了)、田原夫妻、西林万寿夫・在サンパウロ日本総領事、ジョアン・グランジーノ・ロダス学部長が展示品の幕を除いた。