ブラジル経済は日本を抜くのか
【スージー・ムラカミ/NB】日本経済が極めて厳しい状況にあ
る中、ブラジルは2007年の国内総生産が5・4%上昇と好調で、2004年以降最大の数値となっている。ブラジル中央銀行では、2008年度のPIB(国内総生産・GDP)を4・8%の成長と見込んでおり、世界有数の監査法人プライスウォーターハウスクーパースは、2050年までにブラジルのPIBは、日本を抜くという見解を示している。2006年に公表された報告書によれば、ブラジルのPIBは、今後40年にわたり日本を上回ると予想しているが、現在の状況は真逆だ。日本のGDPはブラジルより3倍も大きい。この予測は中国経済が2050年には米国を越す報告しているが、各国の一人当たりの年間所得を比べると、状況は異なる。年間生産力の差こそ縮まるが、日本は上位に食い込み、プライスウォーターハウスクーパースによると、2050年の日本の一人当たりの年間所得は7万500ドルになるという。それに対しブラジルは、3万9000ドルというのだ。
サンパウロ大学経済研究所に所属するマルコ・アントニオ教授によると、中国もブラジルも、GDPでは米国や日本を経済で追い越すという。しかし一人当たりの年間所得で両国を追い越すのは、今後100年ではあ
り得ないという。同教授は「中国は現在の10%に手が届く驚異的な成長率を今後何年も維持だろう」という。
応用経済大学のヘロン・ド・カルモ教授によると、ブラジル経済が2050年までに日本を追い越すのは難しいという。「ブラジルのPIBの高成長には、ドルに対するレアル高が理由の一つとして挙げられる。しかしそれは長くは続かないだろう」と予想する。
インテグラル・トラスト社の経済部門統括で、ブラジル銀行連合会(Ferbraban)チーフであ
るロベルト・トロステル氏は、ブラジル経済は日本を上回る可能性はあるがそのためには変革が必要であ
るという。「ブラジル経済をより向上させるには、税制改革と労働問題の改善が必須だ」。日本銀行の予測では、2008年度のPIB成長率は1・5%であ
るという。国税政治経済評議会に承認された新たな成長の政策として福田前首相により策定された経済対策は、海外からの投資促進の必要性に言及しており、友好的環境の土壌作りを必須としている。2008年度の政治経済政策の指針として、年間2%成長を目標に掲げている。それに伴い評議会は、2011年を目処に若者や女性、高齢者に対する2千2百万の雇用確保の必要性を示しており、(すべての人が意欲と能力に応じて働くことのできる社会の実現)を確立する方針。さらに世界と共に成長するために、日本は海外からの投資を促すために魅力的な投資環境の整備が必要と指摘している。