厳しかった寮生活‐貴重な人生経験
【スージー・ムラカミ/NB】西村俊治農工高校で学んだ学生は、3年間の学生生活で寮生活をし、家に帰れるのは一月に一度だけだった。毎朝6時に起床、体操をした。月に1回交替で4人のグループが家畜の世話をしなければならなかった。彼らは朝5時に起床、掃除なども行った。監督生として他の生徒を指導、課題や作業を正しく遂行しなかった生徒に対し、付加点数を課した。付加点数が3点になると、その生徒は月に一度の帰宅の権利を失った。厳しい寮生活は、生徒数の減少の一因となった。
「良い時代でした」とクラウジオ・ショウイチ・イトウさんは、当時を振り返り話した。イトウさんは、同州ピラールドスール市でサンパウロ州柿生産協会の代表を務めている。イトウさんは90年度の卒業生で、3年生のときに監督生を務めた。学校がとても好きだったイトウさんは、2年生の時に選抜試験に合格したにもかかわらず、技術訓練に参加するため1年生をやり直した。「学校の目的は、卒業後も農業で生産を続けられる人材育成にありました」とイトウさん。
農業を勉強するうえで、覚えなければならない知識の量は膨大であり、学科は芸術や自動車の整備工場にまで及んだ。さらにクラブ活動として、柔道なども積極的に取り入れられており、結果として、生徒が一日を終え、寮に戻るのは、毎日午後10時ごろ、テスト期間ともなれば、どの生徒も明け方近くまで勉強することは珍しくはなかった。
ジュリオ・シラハタさんは91年度の卒業生だ。花卉生産者としてサンパウロ州イビウナ市で活躍している。彼は、学校の規律の厳しさを今でも覚えているが、同時に学校で過ごした日々の経験に今でも感謝しているという。「とても良い経験でした。我々は以前には振り向きもしなかったような物事に価値を見出せるようになったのですから。大切な人生経験もたくさんし、それは現在もいかされています」とジュリオさん。ジュリオさんは、研修生として1年3カ月を米国で過ごした。
今回の教育課程改正のニュースについてジュリオさんは「私は卒業生として、改正を大変残念に思いますが、財団の新しい時代の波に乗ろうという姿勢は評価します」と話した。イトウさんも「残念としかいいようがありませんが、現在の学校の状況を考えれば仕方のないことでしょう」と理解を示した。