【NB編集部】ブラジル産の柿を日本に輸出することを視野に入れた農業セミナーが3月28日、サンパウロ州ピラール・ド・スル市の同文化体育協会で開かれた。山本喜誉司賞選考委員会(ブラジル日本文化福祉協会)の主催で周辺のピエダーデ、サンミゲルアルカンジョなどを含め約30人が参加した。
セミナーでは、サンパウロ大学(USP)生物学研究所の研究員でマンゴーの日本輸出プロジェクトに関わる裏
本けい子さんが講演。マンゴーを例に日本の検疫制度や管理・処理方法などを紹介した。続いて、パウリスタ州立大学(UNESP)元学長の中川ジュリオさんが亜熱帯果樹の土壌管理、ブラジル東京農大会副会長の沖眞一さんが造林について講演、JICAシニアボランティアでパウリスタ柿生産者協会(APPC)で活動している浦田昌寛さんが2年間の活動報告を行った。専門家の講演では参加者との活発な質疑が行われ、関心の高さをうかがわせた。
裏本さんによると、柿の日本への輸出に関しては「まだ白紙状態」で、今後技術的な問題をはじめ、市場調査、生産者の関心などを調査する必要があ
るという。裏本さんは「技術的にはマンゴーの研究を活用することができる。時間はかかるだろうが可能性はあ
る」と話した。山本喜誉司賞選考委員会の山中イジドロ委員長は、日本の官民に対してロビー活動も必要だと指摘「日本人の子孫としてのメリットを生かすべきだ」と語った。
APPCでは現在、ヨーロッパ、カナダなどを中心に柿を輸出している。生産地から集められた柿は会員であ
る城島将男さんの農場内に設置されたパッキングセンターで梱包・管理されている。JICAボランティアの浦田さんは、生産技術に関しては日本に見劣りしないとし、大きさや供給時期などでブラジル産が有利だと話した。