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カーニバルのリハーサルに潜入
Jin Yonezawa
バテリアはカーニバルに欠かせない
 
バテリアが弾き出す音に観衆はノリノリ
 
勝敗を左右するポルタ・ベンデイラとメストレ・サラ
 
バテリアを後方に従え、ダンサーも勢いに乗る
 
子どもたちもデスフィーレを演出
 
ライブバンドはテーマ曲を熱演 観衆を盛り上げる

熱狂のリハーサルに潜入!

 国内外問わず、毎年大きな注目を集めるブラジルのカーニバル。ブラジル各地で行われるイベントのうち、リオデジャネイロ、サルバドール、サンパウロで行われるデスフィーレ(パレード)は、海外にも知られるほど、その規模、華やかさでほかの地域を圧倒している。1年1度のデスフィーレで、エスコーラ・デ・サンバ(サンバチーム)の壮大なスケールと優雅さ、華やかさ、熱狂、躍動に酔いしれる観客。その光景は一大スペクタクルと言っても過言ではないだろう。

 サンパウロ市北東部に位置するカーザ・ベルデ区を活動するエスコーラ・デ・サンバ「Império de Casa Verde/インペリオ・デ・カーザ・ベルデ」は、1994年創設の新興チームながら、2005、2006年のサンパウロのデスフィーレの最高のカテゴリー(Grupo Especial)で2連覇を成し遂げた、目下、サンパウロ最優秀エスコーラだ。

 本番のデスフィーレにはインペリオだけで数千人が参加するので、普段のリハーサルは各パートに分かれている。昨年の10月から始まったデスフィーレのリハーサルは、火曜、木曜、土曜の週3回、クアドラ(Quadra)と呼ばれるエスコーラ所有の練習場で行われており、平日は午後9時から午前0時ごろ、土曜日は日付が変わった午前0時半から4時までというタイムスケジュールだ。

熱気から熱狂へ

 しかし、ここはブラジル。時間通りに始まらないことが日常茶飯事だ。スタートするはずの午後9時、クアドラにほとんど人はいなかった。

 それでも、室内にはエスコーラの今年のテーマ曲 “Glórias e conquistas...A força do Império está no salto do tigre” が大音量で繰り返し流れ、会場で配られた歌詞を見ながら歌う人、サンバのリズムに身をゆだねて体を動かす人など、思い思いにその場の雰囲気を楽しんでいた。

 人は次々と集まるが一向に始まる気配のないクアドロ。しかし、2時間経った午後11時、スピーカーから流れるテーマ曲が止み、エスコーラのスタッフが出場者を整列させ、バテリア(打楽器隊)のリハーサルが始まると、会場は一瞬にして熱気に包まれた。

 子どもと大人に別れて列を組んだ出場者はひとつの大きな輪になり、エスコーラのテーマ曲に、歌い、リズムを合わせる。続いて今年のテーマ曲が流れ、進行係の指示に従って隊列が動き出したとき、隊列の熱気はすでに熱狂に変わっていた。進行係は自ら踊ることで隊列を先導、出場者は熱狂によってひとつのデスフィーレをつくり上げた。

 インペリオのエンサイオは、無料で一般公開されているため、本番に出場する人たちのほか、付近の住民も見物にやってくる。小さな子どもを連れた夫婦や、若者、昔はデスフィーレを華やかに練り歩いたであろう老婦人など、老若男女問わず大勢の人がリハーサルに見入り、足元で小刻みにサンバのリズムを踏んでいる。

目標はもちろん3連覇:セルジーニョさん

 デスフィーレを指揮するジレトール・デ・アルモニア(Diretor de Harmonia)のセルジーニョさんに「カーニバルはブラジル人にとってどんなもの?」という質問をすると、「1年に1度のカーニバルに参加することで、日々のストレスや苦しみを忘れられることが一番の大きな理由だね。カーニバルで着る衣装を買うために、1年間お金を貯める人もいる。カーニバルで歌って踊ることが僕たちにとって日常になって、さらにそれ以上になっているということさ」と答えてくれた。

 また、セルジーニョさんは、エスコーラが地域住民をはじめ、誰もがカーニバルを感じることが出来る場であり、小さいころからカーニバルを身近に感じることによって、サンバのリズムが身体に馴染むと語った。

 セルジーニョさんに「今年のカーニバルに対しての意気込み」を聞いてみると、楽しむことが一番としたうえで「2連覇した僕たちは、勝利の喜びを知ってしまったんだ。これはもう勝つしかないよ!」と話し、自らも汗ほとばしる熱狂の渦に加わっていった。

 取材協力:Império de Casa Verde

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